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2016年9月

出し惜しみはしない

以前、ある番組で ジブリ作品をたくさん手がけていらっしゃる 宮崎駿監督が
「出し惜しみはしない」とおっしゃっていました。
過去の作品はすぐに忘れてしまうとのこと。
だからこそ、新しいものが生まれるのだな…と思います。

「出し惜しみはしない」というのは…
本当に…
どんな分野においても、大切なことだな…と思います。

以前 数年間 病院内学級で 関わっていた、重度重複障がいのお子さんとは、授業の中で いろんな楽器に トライしてきました。そこで 今度は 自宅から KORG製の「 WAVE ドラムmini 」を持参して試してみようかな…と考えていました。
センサー機能があり、例えば 紙コップにクリップをつけて、紙コップを叩くと、ドラムの音が鳴る…という、とても面白い楽器です♪
すぐに持参しようかな!と思っていたのですが、担任の先生や 音楽の授業にサブで入って下さる先生方の お考えもお聞きしておこうかな…と思い、今後のことについて話し合ったところ、「WAVEドラムは 来学期か 高等部に入学してからでも良いかもしれませんね…!」と言われました。

重度のお子さんの成績は 文章で書くため、徐々に内容をあげていきたい…という思いもあったのだと思います。
特別支援学校で授業をされた ご経験のある方は、思い当たるところが…人によっては…あるかもしれません。

ん…と思うところもありましたが、とりあえず 様子をみて、もう少ししてから持参しようかな…と思っていました。
ところが…
突然…
本当に突然…

そのお子さんが急変し、残念ながら…
二度と会えなくなってしまいました……。

いつも協力的で 笑顔も素敵な御母様と
いつも 目一杯 がんばっていた そのお子さんに対して

本当に申し訳ないな…という気持ちでいっぱいになりました…
もちろん、数年間 関わる中で、できる限りのことを してきたつもりではありますが…
もっと…もっと早く WAVEドラムを持参すべきだったな…と
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです…。


「出し惜しみはしない」

という言葉を
その重要性を
噛み締めながら、肝に銘じて
これからも、精一杯 がんばっていきたい…と思います。

数年前の話になりますが…
カフェのクリスマスディナーで ピアノ演奏の仕事をしたことがありました。
その時、演奏の途中で ものすごく緊張してしまったのです…!
こういう時は、心の中で
「うわぁ〜!! どうしよう! どうしよう! 緊張しちゃってる!」
と思い、本当に焦るものです…。
その時 ふと、このお子さんと 御母様の顔が 頭に浮かびました。
「○○ちゃんも、御母様も、いつも あれだけ がんばっているのだから、もっと踏ん張らないと!」
と、自分に言い聞かせて、そのまま 演奏を続けました。
3日間 続く演奏日の中で、初日の後半は、本当に…反省しきり…という 演奏で、アンコール曲は弾かなければ良かった…と思い、帰り道は 落ち込みまくり…、2日目の演奏に行くのが とてもとても 憂鬱でした。
が、初日の 前半の、ちょうど そのお子さんと御母様のことを思い浮かべた時の演奏は、練習通りの演奏が まぁまぁ できたかな…という感じでした。
悔しくて、悔しくて、ものすごく 悔しいことですが…
本番の演奏で、これは満足!とか、完璧! なんて思える演奏は…
一度も経験したことがありません…。
いつも 何かしら反省点があり、100%の力は発揮できず、
年々、反省点は増えるばかりですが…、
あとで、聞いたら、前半の演奏を聴いて 泣いていた方も いらしたそうで…、びっくりしました。

そのお子さんと御母様、そして 他の方々にも、いろんな面で 助けて頂き、
たくさん たくさんパワーを頂いたおかげだな…と、心の底から思いました。
改めて…
改めまして…
心から御礼を伝えたいと思います。
「本当に…ありがとうございました♪」

日々 反省することばかりではありますが、
これからも
もっともっと 努力していきたいと思います。

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最後の授業 〜小学生の女のコと〜

病院内学級で出会った小学生の女のコは、耳コピが得意で、ピアノを習ったことはないけれど、楽譜を読むのが早く、いろんな曲をスイスイ弾くことのできるお子さんでした。

呼吸が苦しくなっている ターミナルのお子さんがいる時は、そのコが咳き込んだりすると 息を吸うのを待ってから 話しかけたり、息苦しそうな友達に、敢えて「大丈夫?」と聞かずに、見守りながら じっと待っていたりするような…さりげなく まわりを気遣うことのできる素敵なお子さんです。

そのお子さんも、長い間 闘病生活を続けていたのですが、とうとう… これ以上 できる治療はないとのことで、地元の病院へ戻ることになりました…。

本人は 自分の体の状況は知らずに 転院となり、遠い遠い地元へ帰ることができるということで、喜んでいたようです。

ちょうど 私が伺っている日が、こちらの病院内学級における最後の授業日となりました。

その日は、歌が好きな女のコと2人だけの授業となり、お友達が歌いたいという曲に合わせて いろんな曲を弾いてくれました。

途中で、歌が好きなお子さんが検査で呼ばれたので、1人の授業となり、そのお子さん自身が これまでに弾いた曲、歌った曲を 披露してくれました。
たくさん冗談を言いながら、無邪気に笑いながら演奏する姿は、とっても とっても輝いてみえました。

その様子を、担任の先生が録画されていて、放課後 そのお子さんの御両親と一緒に 大きなスクリーンで私も観させて頂きました。

しばらくすると…
御父様が 鼻をすすりながら 涙を流され、
御母様も目をおさえながら 涙を流され
担任の先生も私も…みんな泣いてしまいました。

小さい時から、ずっとがんばってきて
辛い治療にも耐えてきて
本当に…御両親は 何ともいえない お気持ちでご覧になられていたことと思います。

でも、最後の最後に
本人が 伸び伸びと楽しそうに演奏する姿を 御両親にお見せすることができたのは…良かったです。

2ヶ月程前から、痛みが激しく、授業の途中で病室へ戻ったり、参加できない…という日々が続いていたので。

最後の授業は…
やはり辛いものですが

授業の途中で 痛みが激しく 病室に戻ることになっても、
痛みで 机に顔を埋めることがあっても
いつも顔を出してがんばってくれていた…
そんな素敵なお子さんに出会えたことに
心から感謝したいと思います。

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「どうぶつの森」が好きなお子さん♪

以前、病院内学級で出会った小学高学年のお子さんは、いつも まわりの子ども達に合わせるようなお子さんでした。

他の子ども達が 色々と曲のリクエストを出している時も、「僕は何でも良いです!」と感じ良くこたえるような、そんなお子さんです。

ある日のこと、そのお子さんと、1対1の授業の日がありました。
その時、いろんなお話をしてみると、ゲームの「どうぶつの森」にはまっていることがわかりました!
ちょうど、どうぶつの森のテーマ曲がたくさん載っている楽譜を購入したばかりだったので、弾いてみると… 喜ぶ喜ぶ!!

子どもらしく無邪気にはしゃいでいる様子を見て、嬉しくもあり、何だか…安心しました。
入院という 辛い状況の中で、素直に感情を表現することは、とても大切だと思うからです。
そのゲームで使用されている曲は、実際に 土曜日にしか聴けない曲や 午前2時にしか流れない曲などもあるそうで、そういうのも面白いな…と感じました。

授業終了後、そのお子さんが「無理かもしれないけど…弾いてみたいな…」と言うので、簡単にした楽譜をその場で 渡すと早速 練習にとりかかっていました。
病棟に戻ると、 御母様の前でも 嬉しそうに説明していて、その表情が…とっても素敵だったのが印象に残っています。

その後、治療をがんばって 退院し、それから一年ほど経った頃でしょうか…。
再発したため、 再入院となりました…。

再発しただけでも本当に辛いと思うのですが、なんと…主治医の先生が、病院の都合で 急遽 違う病院(それがまた…遠いのです…。)へ転勤となり、そのお子さんも 他の数名のお友達と一緒に転院することになりました。
大事な治療のこの時期に どうして こんなことがあるのだろう…と、いつもは明るく気丈な保護者が 泣きじゃくる姿も見られました。
どれだけ 子ども達と 御家族が 悩み、どれだけ…辛い思いをされたことか…。

転院先には、病院内学級もなければ、ちょっとしたお話をし易い 談話室もなく…、保護者も子ども達も、本当に本当に困り果てていました。
学校があるというのは、こんなにも差があるものなのだな…と、改めて感じました。
いかなるときも、病院サイドは、患者さんを第一に考えて 動いてほしいな…と、心の底から感じました。

その病院は、病室の入口にある名前プレートに 患者さんの主治医の名前が記入されているため、廊下を普通に歩いていても、誰が入院しているのか わからないようになっていました。個人情報のことがあるとはいえ、これは本当にわかりにくく、子ども同士の関わりを減らしてしまうスタイルだな…と感じました。更に、元々 大人ばかりの病棟で、子どもが入院するのは、久しぶりとのこと。ササ〜っと病室内に伺うのも躊躇してしまうような雰囲気の病院でした。
そんな中でも 看護師さん達は 精一杯 患者さんと保護者に寄り添って下さっていたそうで、不安を抱える病気の子ども達と御家族にとって、本当に…大きな大きな存在だったことと思います。

それから しばらくの間は、病院内学級の先生方と、放課後になると 急いで その病院へ移動し、時々お見舞いに行っていました。病棟に入ると 看護師さん達が和かに迎えて下さったのも 何だか…嬉しかったです。たったそれだけでも…、心がほっこりするものだな…と 改めて感じました。

とはいえ、やはり…病院の環境をすぐに変えられる訳ではなく、本人や御家族にとっては 困ってしまうようなことも 色々とあったようです。

ただ嬉しいことに…、それからしばらくして、この病院では 初!となる ミニライブを 子ども達が開催することとなりました!
師長さんが、いろんなところに 掛け合って下さり、場所と時間を確保して下さったそうです!!
お会いしてみると…、温かみに溢れた、とっても素敵な師長さんでした。
ミニライブ当日は、目一杯 がんばっている子ども達や御家族の方々、そして それを見守る温かい病棟スタッフの皆さんから、たくさん たくさんパワーを頂いた日となり、辛いことが続いていた 保護者の皆様の目にも、たくさんの涙が浮かんでいました。

「どうぶつの森」が好きなお子さんも観にきていて、一番前の席で聴いていました。最初は 心なしか…少しさびしそうな表情に見えたのが 気になりましたが、演奏している 先輩達に あったか〜い言葉をかけられて、とても…とても嬉しそうでした。
入院中や闘病中の つながり…というのは、本当に大切なのだな…と思います。

どんな小児病院にも、どんな小児病棟にも
当たり前のように、学校があり、
病気の子ども達やその御家族を支える環境が 当たり前のように整っている、
そんな場が どんどん増えていったら良いな…と心から願っています♪

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